人口問題の解決を焦る習政権

 中国は学習塾の規制に乗り出したが、詳細は中国共産党と国務院が発表した「義務教育における生徒の宿題負担と学外学習の負担の軽減についての意見」(以下「意見」)に打ち出されている。学習塾規制の主なものについて要約すると以下の通りとなる。

(1)学習塾の新規開業は許可しない。既存の塾については非営利団体として登記され、オンライン授業を手掛ける学習塾は許可制となる。
(2)すべての学習塾は上場による資金調達はできない。外資が合併や買収などを通じて学習塾に参入することは許可されない。
(3)教科指導分野以外の機関が教科指導を行うことや、海外の教育プログラムを提供することを禁止する。
(4)学習塾は国の法定休日、休憩日、および冬と夏の休暇を使って指導してはならない。
(5)学費の基準額は政府が定める。

「意見」からは、急速に発展し肥大化した塾産業を実質廃止にしようという意図が見て取れる。かなりの荒療治だが、そこからはいくつかの狙いが透けて見える。

 学外での塾通いを減らし、「学校内で放課後の活動」に置き換えれば、学習塾における過熱が収まり、家庭の負担を少なくすることができる。そうすると「進学に有利なのは、学区房に住み、学習塾通いに大枚をはたける富裕層の子どもたち」という現状を改善することができる。

「教育の機会均等」に近づけば、子どもを産んだ瞬間から始まる受験競争、高騰して非現実的なものになった住宅購入から若い世代が解放されることにもつながる。中央政府には、学習塾産業を是正し、若い世代の出産意欲が高まれば、中国の人口問題も解決するだろうという読みがある。