無言の小池知事に代わってオリパラ局長が回答
コロナ対応をうたった「役人言葉」を翻訳すれば?

 一方で、東京都側のアナウンスはどうか。7月8日に1都3県の会場の無観客が決定した後、メディアの取材に応じた小池知事は、無言。組織委の大幅減収について語ったのは、都の役人である中村倫治オリンピック・パラリンピック準備局長だった。その発言は以下である。

「コロナの対応という側面もある。関係者と十分に協議したい」

 一見、いかにも如才ない役人が言いそうな模範解答のようにも聞こえるが、この「役人言葉」の中にこそ、今後を占うカギが隠されている。都庁OBである筆者が翻訳を試みよう。それが以下だ。

「この1年、コロナ対策で組織委もいろいろと出費がかさんだことでしょう。大変だったと思いますよ。でも、東京都が直接、赤字を穴埋めするというのは、さすがに都民感情もありますし、やりづらい。しかし、コロナ対策という名目であれば、少しは理解も得やすくなるでしょう。いずれにしても、今後、国とバチバチやらなければなりませんが、とにかく、東京都が何らかの形で組織委に助け船を出すことになるでしょうね、あんまり大きな声では言えませんけど……」