TikTok、動画の長さを「60秒」から
「3分」へと大幅に拡大

https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/introducing-longer-videos

 2021年7月2日、動画投稿アプリ「TikTok」(運営・ByteDance)は、3分の動画の投稿を可能にしました。

 TikTokは、60秒までの「短尺」動画の投稿をする「ショートムービープラットフォーム」として世界中で多くのユーザーに利用されています。昨年12月にテストとして、一部のユーザーに対して3分間の動画の投稿機能を提供しましたが、今回の発表では、全ユーザーに順次、機能提供をしていくことが明らかになりました。

 60秒に収まらず、複数の動画に分割して投稿しているユーザーもいるので、今後はそのような手間を省くことが可能になります。

 若い世代を中心に、ショートムービーをサクサクとスピード感を持って閲覧することが流行しています。YouTubeの「YouTube ショート」やInstagramの「リール(Reels)」のように、TikTok以外にも、こうした短尺の動画投稿サービスは数多く存在しています。

 しかし、YouTube ショートやリールの動画を見ていると、TikTokで作成されたと思われる動画が多くあります。TikTokは、SNSとしてのコミュニケーション的な役割だけではなく、豊富なフィルターや楽曲選択の容易さなど、動画作成ツールとしても、広くユーザーに受け入れられているのでしょう。これらの価値に加えて、3分の動画作成が可能となれば、TikTokで作成した動画を他のSNSで公開するという流れはより加速するのではないでしょうか。

 一方で、これまでは「60秒」という制限があったからこそ、TikTokクリエイターによる「コンパクトにコンテンツを編集するスキル」が際立っていました。

 短尺動画の需要が高まる中で、いかにサービスとしての独自性を確立できるか(強みを発揮できるか)が、今後のサービス成長にとってカギになってくるでしょう。

 Twitterでは、動画や画像をメインとしてツイートし、投稿から24時間で自動的に削除される「フリート」という機能を今年の1月にリリースしました。これに似た機能としてInstagramの「ストーリーズ」があり、ストーリーズのほうは非常に人気がありますが、フリートのほうは開始後、たった8カ月で終了しています。

 動画系SNSの戦国時代といえる今、TikTokの新機能が、動画系SNS、そしてSNS全般にどのような変化をおよぼすのでしょうか。

P&G、インクルーシブな世界をめざした
スポーツイベント「Create Inclusive Sports」開催

https://www.myrepi.com/family/activities/cpn-know-multibrand-lwl-event-2106

 2021年6月28日、P&Gジャパンが主催するスポーツイベント「Create Inclusive Sports」が東京都の六本木ヒルズアリーナで開催されました。

 このスポーツイベントに、障がいを持つスポーツ選手やLGBTのスポーツ選手、そしてお笑い芸人など、さまざまなバックグラウンドを持つ14人が参加。足や腕に切断障がいのある人たちが行うアンプティサッカー、聴覚障がいのある人たちが行うデフサッカー、そして目隠しサッカーの3タイプの「障がい者サッカー」を体験したのち、参加者全員で、あらゆる人々が楽しめるような、新しい形のサッカーを考案し、実際にプレーしました。

 近年、行政や企業、教育の現場など、多くの場面において、特定の人を除外することのない、「インクルーシブ(=包括的)な社会」の実現に向けた取り組みが活発化しています。

 しかしスポーツは、身体的特徴や性別、年齢、競技経験などによって、パフォーマンスに差が出やすく、誰もが一緒に、何かのスポーツを同じように楽しむことは難しいという現状があります。

 本イベントでは、相互理解を深めるため、障がいを持つ人や、セクシャルマイノリティなど、バックグラウンドの異なる人々が同じ条件でサッカーをプレー。新しい形のサッカーを考える場面では、インクルーシブなスポーツの創造というテーマに積極的で前向きな姿勢で取り組み、「どうすれば能力の差をなくすことができるか」よりも、「どうすればみんなが楽しめるか」という視点で、独創的なアイデアがいくつも出たそうです。

 デザインの世界でも、「社会から除外されている人」が抱える課題に向き合い、マジョリティ向けのデザインとマイノリティ向けのデザインとで分けるのではなく、全員を包括する形でデザインする「インクルーシブ・デザイン」が注目されています。

 インクルーシブ・デザインを社会へ実装していくためには、マジョリティを巻き込んで相互理解を深め、「社会から除外されている人」が存在しているという現実に向き合い、少しずつ改善していくことが必要です。

 まずは第一歩として、身近なシーンにおいて「何がインクルーシブにできるか?」を考えてみましょう。そして少しずつ実行することで、徐々に多様性を受容する動きが広がっていくはずです。

誰もが2分で作品販売を可能に
けんすう氏、「elu」をリリース

https://elu.jp/

 2021年6月中旬、マンガ情報コミュニティー「アル」などを運営するアル(株)が、自分で描いたイラストや撮影した写真のデジタルデータを、数量限定で容易に出品できるサービス「elu(エル)」をリリースしました。

「けんすう」の呼び名で知られる起業家であり、アル代表の古川健介氏は、Twitter上で「デジタルデータを2分もたたずに、さくっと販売できるようになるというサービスにしてみています。画像とか音声とか動画を販売したい、という人はぜひとも試してみてください!」とコメント。現在、出品者を募集中とのことです。

 出品者がアップロードした画像は、「SAMPLE」といった文字フィルターなどがかかっていますが、購入後にオリジナルの画像データをダウンロードすることができます。また、商用利用や二次利用が可能な作品もあるため、さまざまなシーンでの利用が見込めるでしょう。

 eluの大きな特徴は、Twitterのタイムラインを活用して作品を販売できることです。Twitterを活用することで、販売のためのサイトをつくったり、専用のプラットフォームに登録したりする手間を省くことができます。また、自身の作品を世間に公開することの心理的ハードルを下げることもできます。

 ほかにも、作品に込めた想いをフォロワーにいち早く届けることができる即時性や、リツイートなどによる拡散力があります。購入側からすると、口コミを知ってから買うことのできる安心感もあります。Twitterのメリットをそのまま活用することで、出品者と購入者の双方にメリットがあるのです。

 eluは、新しい作品販売の形を模索しながら、現在進行形で機能を追加しているようです。今後eluが、SNSの特性をどのように生かしながら、作品とクリエイターの価値を増幅させていくのか、展開が楽しみですね。

 以上、7月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。来月もお楽しみに!