警視庁の発表によれば、今年に入ってから電話やショートメッセージを利用して被害者からお金をだまし取る、特殊詐欺の被害件数が増加の一途をたどっている。詐欺の手口も多様化しており、中には新型コロナワクチンに便乗したものも。迷惑電話対策アプリ「Whoscall(フーズコール)」の運営会社でCEOを務めるジェフ・クオ氏に、日本国内における特殊詐欺の最新事例や被害に遭わないために心がけるべきポイントを教えてもらった。(清談社 山田剛志)
警察官を名乗る男から突然の電話
被害者は高齢者に限らない
パンデミックの混乱に乗じた特殊詐欺被害が後を絶たない。昨年は一時供給不足に陥ったマスクに関する詐欺や、行政機関を名乗って給付金の手数料を要求するといった事例が多く見られたが、コロナ禍になって1年以上がたち、詐欺の手口は変化している。
「日本では今年の5月から新型コロナワクチンの接種が開始されましたが、それに伴い『お金を振り込んだら先にワクチンが打てますよ』といった詐欺電話や、『もしワクチンを打たないのであれば、還付金があります』とうたい、個人情報を盗み出すような手口が増えています。また今後ワクチンの接種率が上がっていくと、存在しない“3回目のワクチン接種”を装ったり、“経口接種ワクチンの入手方法”に関するデマを吹き込んで不正を行うケースも想定できます。詐欺グループは『不明確で混乱を引き起こしやすい情報』と『人々の不安な状態』につけ込んで詐欺行為をする傾向があり、状況が短いスパンで移り変わり、フェイクニュースが生まれやすいコロナ禍では特に注意が必要なんです」