ノーベル賞の大隅良典ノーベル賞の大隅良典 Photo:Diamond

ノーベル賞の受賞者や
元ラグビー日本代表

 ノーベル賞の受賞者、アフガニスタンで非業の死を遂げた医師、文武両道のラグビー選手…個性が際立っている卒業生がそろっている。修猷館高校と良きライバル関係を続けている福岡高校(福岡県立・福岡市博多区)のことだ。多種多様で有為な人材が巣立った学校の校風と人脈は?

 ノーベル医学生理学賞の受賞者は、細胞生物研究の第一人者で東京工業大栄誉教授の大隅良典で、2016年に受章した。細胞の自食作用「オートファジー」に関し、分子機構や多様な生理的意義を解明した。大隅は福岡高校から東京大教養学部に進学した。

 日本のノーベル賞受賞者は、大隅で25人目。医学生理学賞は大隅で4人目だった。その後、18年に本庶佑(山口県立宇部高校―京都大卒)が医学生理学賞、19年に吉野彰(大阪府立北野高校―京都大卒)が化学賞を受賞している。

 医師の中村哲は、人道支援NGO「ペシャワール会」現地代表としてパキスタンやアフガニスタンで35年もの間、医療活動や井戸・水路建設などの復興事業に取り組んできた。アフガニスタン大統領から名誉市民権を授与され、国民的英雄としてたたえられてきたが、2019年12月4日、銃撃され死亡した。73歳だった。中村は、福岡高校から九州大医学部に進んだ。

 中村哲が銃撃・殺害された事件でアフガン捜査当局は21年2月、イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動」の地方幹部でパキスタン人の男を主犯格と特定したが、8月にタリバンがアフガンの政権を掌握したため、捜査は進んでいない。
 その一方、首都カブール中心部のコンクリート塀に描かれた中村哲の似顔絵は、9月に真っ白に塗りつぶされた。

【福岡高校】華麗なる卒業生人脈!ノーベル賞の大隅良典、医師の中村哲、元ラグビー日本代表の福岡堅樹…医師の中村哲 Photo:JIJI