特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#21では、発行部数累計30万部のベストセラー『「学力」の経済学』の著者である慶應義塾大学の中室牧子教授が、コロナ禍で急増したオンライン教育の功罪について専門的な見地から解説。併せて、日本の教育政策に科学的手法を取り入れることの重要性や、AI時代に求められる教育の姿などについて語ってもらった。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
大学で急速に進んだオンライン授業
メリットとデメリットが浮き彫りに
――新型コロナウイルスの感染拡大により、教育現場ではどのような変化が生じたと考えますか。
功罪両面あると思いますが、オンライン教育については、可能性を見いだす好機となりました。
文部科学省が今年4月に公表した調査によれば、公立の小中学校ではリソースや人材不足もあって、同時双方向型のオンライン授業を行えた割合は5%にとどまりました。
一方、大学では遠隔での双方向授業が急速に進み、メリット、デメリットの両面が浮き彫りになりました。