コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は住宅メーカー業界の大和ハウス工業、積水ハウス、積水化学工業の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
積水化学工業が
四半期増収10%超のワケとは?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は21年2~6月の直近四半期(積水ハウスは21年2~4月期、大和ハウス工業、積水化学工業は21年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大和ハウス工業
増収率:3.1%(四半期の売上高9207億円)
・積水ハウス
増収率:1.8%(四半期の売上高6086億円)
・積水化学工業
増収率:15.8%(四半期の売上高2486億円)
※大和ハウス工業、積水化学工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない数字を用いている。
住宅メーカー3社の四半期増収率(前年同期比)はいずれもプラスとなっている。中でも積水化学工業は前年同期比10%超の増収だ。この要因は何だったのか、次ページ以降で解説する。