富士通がシステム業界5社で唯一、四半期減収に陥った要因とは?Photo:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は富士通、NTTデータなどのシステム/ソフトウェア業界の主要5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

富士通が3.8%減収
システム業界5社の現在地は?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のシステム/ソフトウェア業界5社。対象期間は21年1~3月期の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・富士通
 増収率:マイナス3.8%(四半期の売上収益1兆635億円)
・NTTデータ
 増収率:5.7%(四半期の売上高6603億円)
・オービック
 増収率:4.7%(四半期の売上高213億円)
・野村総合研究所
 増収率:5.6%(四半期の売上高1460億円)
・NEC
 増収率:3.3%(四半期の売上収益9496億円)

 5社の中で富士通だけが四半期増収率がマイナスになっている。その要因は何だろうか。次ページからは各社の詳細の数字を紹介するとともに、その要因を解説する。