シェラトンやウェスティンなどを展開する世界最大のホテルチェーン、スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツが、日本で攻勢をかけようとしている。
ステファン・ホー・アジア太平洋地区社長は、「今後3~4年をめどに、日本でのホテルを現在の15軒から30軒に倍増させる」と明言する。
東京は、すでに主なラグジュアリーホテルが進出し、飽和感さえあるが、「その魅力は依然として大きく、日本国内からも海外からも集客できる。スターウッドのホテルは都内にたった2つしかない。セントレジスもWホテルもまだ東京には出店していない。チャンスはある」(ホー・アジア太平洋地区社長)。
スターウッドが狙うのは、新しくオープンする建物だけではない。すでに稼働しているホテルのチェーン変更を働きかけている。
たとえば、シェラトン都ホテル東京は、2007年まではラディソン都ホテル東京だった。「米国や欧州でのコンバージョン(チェーン変更)の実績はあり、(鉄道会社やディベロッパーのような)ホテルオーナー向けに、開発チームを作って情報交換をしたり、時に売り込みをしたりしている」(ホー・アジア太平洋地区社長)。
スターウッドがアピールするポイントは2つある。
1つは、SPG(スターウッド プリファード ゲスト)とよばれる会員制度だ。宿泊するたびにポイントが付き、SPG会員専用フロアを利用でき、貯まったポイントに応じて部屋のアップグレードや連泊の際の一泊分無料などの特典が受けられる。
「宿泊者の2人に1人がSPG会員というデータもある」(ホー・アジア太平洋地区社長)と言い、ホテルオーナーに安定収益をアピールしている。