収益的にいえば、金利先物のほうが、くりっく365の3倍の収益を稼ぎ出す。だが、金利先物は2期連続の赤字に陥っており、それをくりっく365の収益で支えていたにもかかわらず、くりっく365の急落で支え切れなくなったという構図だ。その結果、業績は惨憺たるものになっている。

 売上高に相当する営業収益は、前上期の56億4000万円から今上期は25億7100万円と半分以下に落ち込んだ。営業損益は4億3100万円の赤字となり、最終損益も4億4200万円の赤字に沈んでいる。

 では、打開策はあるのか。その答えは、厳しいと言わざるを得ないだろう。

 金融取の業績は、「ジェットコースター経営」(関係者)といわれるほど取引量の多寡に左右される。となれば、日銀による超低金利政策が継続されると目される中で、取引量が拡大するとは考えにくい。「手数料の交渉や、次期システムが稼働すればランニングコストが大幅に下がる」(金融取幹部)というが、手数料は相手次第の側面が強く、次期システムが稼働するのは1年半後のことだ。

 無借金経営で内部留保は厚いとはいえ、免許事業である取引所が、いつまでも赤字を垂れ流したままでは、とうてい許されまい。来年1月に発足する日本取引所グループへの吸収も、現実味を帯び始めている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫)

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