プライベートエクイティ(PE)投資会社が防衛セクターへの投資を強化している。米政府の防衛政策面での優先順位が変わり、軍事技術へ投資する新たな機会が訪れていることが背景だ。調査会社ピッチブック・データによれば、PE投資会社による2021年の航空・防衛セクターへの投資額は、8月24日の時点で計44件の69億2000万ドル(約7600億円)に達している。この8カ月未満で20年の58億9000万ドルをすでに上回り、19年の75億2000万ドルに接近している。このペースが維持されれば、過去最高額である07年の105億3000万ドルにも達する可能性があるという。同セクターでPE投資会社の存在感が高まっている背景には、わずかな数の防衛請負業者が牛耳っていた主要兵器システムから国防総省が距離を置き、ドローンや人工知能(AI)、センサー、監視機器など新たな軍事技術に力を入れていることがある。