コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は壱番屋、トリドールホールディングスなどの「その他外食(ラーメン/餃子/定食など)」業界の4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
外食4社軒並み四半期増収でも
楽観視はできないワケ
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のその他外食(ラーメン/餃子/定食など)業界4社。対象期間は21年3~6月の直近四半期(壱番屋は21年3~5月期、その他3社は21年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・壱番屋
増収率:7.1%(四半期の売上高111億円)
・トリドールホールディングス
増収率:37.1%(四半期の売上収益374億円)
・王将フードサービス
増収率:11.4%(四半期の売上高202億円)
・大戸屋ホールディングス
増収率:28.5%(四半期の売上高41億円)
その他外食(ラーメン/餃子/定食など)業界4社の四半期増収率(前年同期比)は、4社ともプラスとなった。特にトリドールホールディングスや大戸屋ホールディングスは3割弱~4割弱の大増収を記録している。
しかしながら、数字を詳しく見ていくと、まだまだ外食各社は依然として厳しい状況に置かれているといえる。中でも、直近四半期で前年同期比28.5%の大増収を達成した大戸屋ホールディングスの苦境ぶりが深刻だ。どういうことなのか。次ページで詳しく解説する。