米国人は数十年間、自動車や電子機器、家具の値下がりによる恩恵を受けてきた。新型コロナウイルスが流行するまではそうだった。この1年で耐久財価格は上昇した。しかも、小さくはない上昇率でだ。耐久財価格が再び下がるかどうかは、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定外のインフレ高進への対応策を練る上で直面しているパズルの重要なピースとなっている。FRBのジェローム・パウエル議長は以前から、インフレ上昇はコロナ禍特有の一時的な要因によるところが大きいとの見方を示してきた。同氏は8月下旬にカンザスシティー地区連銀が主催したジャクソンホール会議での講演で、自身の考えをより詳しく説明した。インフレ率がFRBの目標とする2%に戻るはずだという証拠として、耐久財価格の急上昇を挙げた。より小幅な上昇にとどまっているサービス価格と対照的な動きだとしている。