職場への出勤再開が広がる米国では、新型コロナウイルスのワクチン接種や検査、マスク着用に関して、雇用主がそれぞれ独自の規定を導入している。バイデン政権が打ち出したワクチン接種あるいは週次検査の義務づけは、職場における規定の標準化に寄与する可能性はある。だが今のところは、自己申告制を採用している企業が多い。つまり、接種状況などの情報開示は通常、社員が自発的に行っており、同僚が規定を守っているのか確認する手段は社員にはほとんどない。社員にとっては、自己申告制に基づくコロナ規定下での勤務は混乱を招くことがあり、接種済みの社員の間では不安も再燃している。ミネアポリス在住のシステムアナリスト、ライアン・ハリス氏(38)は、7月にオフィス勤務を再開して以降、自己申告制は難しいと感じている。勤務先の企業は当初、ワクチン未接種者にマスク着用を求めていた。