米、中、日で同時期に新体制が発足
日本の運命を決める東アジアの歴史的転換点
米国でオバマ大統領が再選された。中国では第18回共産党大会が終わり、共産党の最高意思決定機関である政治局常務委員会に、習近平総書記の他計7名の委員が決定された。そして日本では衆議院が解散され、12月16日の総選挙で新たな政治体制が選択されることとなる。
米国、中国、日本の3ヵ国の相対的な力関係は、この20年の間に大きく変化し、新体制の下での各国の対外政策の変化と相まって、東アジアは歴史的な転換点にさしかかった。これは、日本の将来を決定づけることにもなるのかもしれない。
近代史を振り返ってみれば、日本、中国、米国の三者の関係が東アジア地域の、そして日本の運命を決めてきた。1853年、大国中国への進出を図るべく新興国米国はペリー提督の黒船を日本に送り、補給基地としての開国を迫る。米国のアジアへの参入の始まりである。
開国し、明治維新を経た日本は富国強兵を追求し、日清・日露戦争に勝利し、韓国併合・満州国立国、さらには中国大陸に派兵し、戦争を拡大した。中国大陸に本格的に進出した日本は米国に阻止される。
戦後1951年、日本はサンフランシスコ講和条約により主権を回復、吉田茂首相は米国に安全保障を依存し、経済再建にまい進するという選択をする。
1969年に世界第二の経済規模を保有することとなった日本は、西側の一員として順調に大国化の道を歩む。そして冷戦が崩壊した1990年頃が、日本のピークであったのだろう。
しかし、1990年から2010年にかけての日本は「失われた20年」と呼ばれる停滞が続き、一方で中国は改革開放路線の下、目覚ましい台頭を続け、日中のGDPは逆転する。
米国との関係を見ても、1990年時点で米国総貿易量に占める日中の貿易量は大きく逆転し、財務省証券の外国保有残高でも1990年時点では日本が圧倒的シェアを占めていたが、2010年には中国が最大の保有国となっている。