韓国政府の論理は、北朝鮮の核開発を黙認にするに等しい。

 だが、4.27板門店宣言には「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」と記されており、北朝鮮の行動はこれに明確に反している。

文在寅政権の
平和ショーへの未練

 韓国政府は、北朝鮮の巡航ミサイル発射に対する公式コメントを保留しており、寧辺の核施設再稼働の兆候に対しても抗議していない。そうした中で、北朝鮮への人道支援は熱心に進めようとしている。

 韓国政府・統一部は14日、「北朝鮮への人道支援協力がより活性化することを期待する」として、関連する告示を改正した。これは全国すべての地方自治体を「対北支援事業者」に指定するもので、これによって自治体が北朝鮮支援事業を行う際には、南北協力基金から支援を受けることができるようになる。

 これと関連し、統一部の李仁栄(イ・インヨン)長官も国会で「北朝鮮に対する制裁の緩和」と「柔軟な対応の必要性」に言及した。

 韓国政府の意図は、明確である。

 文在寅政権には、大統領の任期末に「平和ショー」を行いたい未練がまだ残っている。東京オリンピックに北朝鮮は参加しなかった。北京オリンピックにも、北朝鮮は参加できない可能性が高い。今、北朝鮮を刺激したくないということである。

 だが、韓国のある外交筋は「まともな政府であれば、北朝鮮の新型巡航ミサイル開発成功に対して『対話』ではなく『制裁の強化』を先に主張するはずだ」と批判している。

北朝鮮の巡航ミサイルに対し
米国政府も静観

 米ホワイトハウスは北朝鮮の巡航ミサイル発射後、ジャンピエール副報道官が13日、「北朝鮮に対する私たちの立場に変わりない。条件なしにいつどこでも会うことができる」「私たちの外交的努力は変わっていない」として外交的解決を示唆した。

 米国の北朝鮮との外交経験が豊富な多くの専門家も、こうしたホワイトハウスの立場を支持する雰囲気である。

 14日のボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送によると、北朝鮮制裁調整官を務めたロバート・アインホーン元国務省特別補佐官(核不拡散・軍縮担当)は「(巡航ミサイル試験発射は)北朝鮮を交渉テーブルに引き込むための(バイデン政権の)外交努力を増加させるはず」と述べた。こうした発言が出る背景には、巡航ミサイル発射は米国に対する直接的な脅威ではないとの理由からである。

 また、14日には、日本の船越健裕外務省アジア大洋州局長、米国のソン・キム北朝鮮担当特使や魯圭ドク(ノ・ギュドク)外交部朝鮮半島平和交渉本部長が東京に集合し、北朝鮮への対応を協議した。