私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回紹介する平将門は日本三大怨霊ですが、庶民からは愛されている存在でした。ご利益の規模も普通のレベルではありません。関東にお住まいならぜひお立ち寄りください。

関東在住なら一度は行っておきたい東京一の神社Photo: Adobe Stock

日本経済を発展させた永遠の反逆児

関東在住なら一度は行っておきたい東京一の神社平将門
イラスト/朝倉千夏

 将門塚は平安時代に謀反を起こし関東一円を支配した平将門の首を祀る場所で、元々は神田神社(神田明神)がありました。将門は戦国時代の関東武士や江戸の庶民に人気で、東京都千代田区の今の神田神社や築土神社、新宿区の鎧神社などでもお祭りされています。

 天神さんの菅原道真や崇徳(すとく)上皇と並ぶ「日本三大怨霊」ですが、平将門だけ近年もオカルトファンに取り上げられます。たとえば、関東大震災で全焼した大蔵省庁舎を再建するとき、将門塚を壊して仮庁舎を建設したら、トラブルが続出しました。第二次世界大戦後も、米軍が将門塚を壊そうとして、またもや同じ目に遭い、工事は中止になります。

 要するに、「今なお続く怨霊伝説」なのです。しかし、権力者にとって畏怖な存在でも、庶民にとっては愛されている存在でした。平将門は天皇に謀反を起こしたことがあるため、尊皇の明治政府が神田神社のご祭神から平将門を外したところ、評判は悪く、神田祭は抗議で10年ものあいだ中止になりました。

 平将門のご利益は、関東の発展を後押しすることです。かつて、関東に国をつくろうとして失敗したことによるご利益です。商売でも政治でも芸能でも、関東の発展に力を尽くす人なら、大きなサポートを得られるでしょう。

 三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎は、江戸へ遊学した際、先々代土佐藩主未亡人の病気平癒を祈るために、神田神社に代理参拝していました。明治7年、岩崎弥太郎・弥之助兄弟は、神田神社そばに自宅と三菱の本社を構え、大きく拡大します。将門塚に隣接する丸の内は、日本を代表するオフィス街に成長。岩崎兄弟は平将門のご利益を受け取り、お役目を果たしました。東京勤めの人は、平将門の神社に参拝すると、仕事運が上がります。

【主なご利益】金運向上、厄除祈願、仕事開運

【こんな人にオススメ!】
関東で一旗あげたい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋し、再編集したものです。