漫画『ワンピース』のヤマトの能力、「大口真神」の正体はみんなが知っている白い狼
私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回、紹介する大口真神は、漫画「ワンピース」のヤマトの能力で初めて聞いたことがあるかもしれませんが、じつは、超有名な映画でも登場しているんですね。美輪明宏さんが声をあてていますが、そこからすでに神がかっています。
達人の精神を磨き上げる
『もののけ姫』の白い狼
「だまれ小僧!」の台詞で知られる大ヒット映画『もののけ姫』のキャラクター「モロの君」。森を守る白い巨体の犬神ですが、そのモデルが「大口真神(おおくちのまがみ)」で、かつて日本に生息していた日本狼を神格化した存在です。
大口真神を祭る神社といえば、埼玉県秩父市の三峯神社、東京都青梅市の武蔵御嶽(みたけ)神社などがあげられますが、そのご利益を一言でいえば、「道を極める」。武道や芸事をする人たちが、孤高ともいえるハイレベルまで、己の技術や精神力を高める効用があります。三峯神社は極真空手の創始者・大山倍達(ますたつ)氏が修行の場としていたことで知られており、今でも極真空手の合宿地です。
武蔵御嶽神社は、多数のオリンピックメダリストを輩出し、ウエイトリフティングの三宅ファミリーがよく参拝されています。結果が厳しく問われる人のための神様ですね。個人的には、三峯神社でベストセラー祈願のご祈祷をしたら、見事に当たりました。
経営者にも人気で、毎月1日に定期的に参拝する人も数多くいます。大口真神は、猪や鹿から作物を守ることから、さまざまな災いから守る「魔除け」のご利益が強いとされます。「モロの君」のように人語を理解し、人間の性質を見分ける力があるとされるので、獣から守るだけでなく、人間の悪意や悪気からも守るわけですね。
大口真神といえば、神札(お札)が熱心に信仰されています。三峯神社では大口真神を、お犬様、御眷属様などと呼び、この御眷属(ごけんぞく)様を神札として1年間拝借し、地域や一家の守護を祈る習慣があります。これを「御眷属拝借」と呼び、ある友人によると、御眷属様が部屋にいると、オカルト現象で特有のラップ音もなくなるとか。変な霊を寄せ付けないのかもしれませんね。1年経ったら、神社に必ずお返しください。
武蔵御嶽神社でも「おいぬ様」の絵が描かれた大口真神のお札が提供されています。道を極めたい人、強力な魔除けを求める人は、どちらかの神社でお札をいただいてください。
【主なご利益】必勝祈願、厄除祈願、身体健全
【こんな人にオススメ!】
プロセスではなく、結果が大事と考えている人。災いが多いと感じている人
*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。
八木龍平(やぎ・りゅうへい)
1975年、京都市生まれ。博士(知識科学)
スピリチュアルな感覚を活用する社会心理学者
科学とスピリチュアルを組み合わせた今までにない「神社分析」が好評を博し、『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』(サンマーク出版)はまたたくまに27万部超のベストセラーに。
NTTコムウェアのシステムエンジニア、富士通研究所シニアリサーチャー、北陸先端科学技術大学院大学・客員准教授、青山学院大学・非常勤講師などを歴任。性格分析やコミュニケーションの学術論文を出版する社会心理学者である。2006年度コンピュータ利用教育学会(CIEC)学会賞・論文賞。
現在は武蔵野学院大学・兼任講師として「情報リテラシー」を教えるかたわら、ブログや神社ツアーで「リュウ博士」と呼ばれ活躍中。全国の企業・団体での講演や、神社ツアーには、毎回多くの参加者が集まり、人気を博している。
著者からのメッセージ
「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」
鎌倉時代に制定された「御成敗式目」の第一条に記された言葉です。意味は、神様は人間の敬う心によってそのお力を増し、人間は神様の徳をいただいて運を開く。この神様の徳こそ、ご利益です。
御成敗式目は、鎌倉幕府の第3代執権・北条泰時が中心になってまとめた日本初の武家政権による法令です。武士にも一般庶民にも大きく影響を与えたこの法令は、神様と人との関係を説くことから始まるわけですね。
神様と人との関係は一方通行ではありません。お互いを助け合い高め合う存在。神様のお力をいただく「開運」は、このお互い様の関係の中で起こることを、読者の皆様にご理解いただければ、本書を出版した甲斐があります。
神様のやりたいことを助ける人は、神様から多くのプレゼントを受け取るでしょう。
本書を、神様との「良き隣人関係」を結ぶ一助としてくだされば幸いです。
本書の見方
古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場しますが、最強クラスの神様たちなので、ご利益も多種多様。あなたにピッタリな神様を見つけていただくためにも、本書の見方を紹介いたします。
■ナンバリング
本書では、何度も登場する神様がいます。本を活用する機会が多いはずなので、各項目初出のみ、数字を入れています。
■神様の特徴
同じご利益でも、性格が違います。神様の個性を表したご利益となります。
■神様を祭る寺社
神様を祭る代表的な神社・お寺を紹介。P271には、ご参拝におすすめの神社をピックアップしています。
■神様のご利益
神様が最も得意とするご利益を全21項目から主な3つを紹介。P255にはご利益別索引があるので、自身が欲するご利益ごとに神様を探せます。
■こんな人にオススメ!
人によって、職業も年齢もバラバラ。よりイメージしやすいように、あなたと神様とのマッチングをお手伝いします。
新刊書籍のご案内
『最強の神様100』
八木龍平著、定価1650円(本体1500円+税)、ダイヤモンド社
第1章では、日本の国が始まった最初の最初、弥生時代から古墳・飛鳥時代に大きな力を発揮した神々をご紹介します。日本で一番古い神社の神様など、神々の最長老ぞろいの第1章はご利益のスケールも大きく、「人として成長したい方」に特におすすめです。
第2章では、怨霊が不幸をもたらすと人々が本気で恐れた奈良時代から平安時代に、大きな力を発揮した神々をご紹介します。鬼から守る神様、今年の福徳をもたらす神様など、長く繁栄した神々ぞろいの第2章は、「不幸体質から幸運体質になりたい方」に特におすすめです。
第3章では、大きな戦乱が起こった鎌倉時代から戦国時代に、大きな力を発揮した神々をご紹介します。戦わない勝利の神様、宇宙根源の究極神など、人々が最も力を欲した時代にふさわしい神々の強者ぞろいの第3章は、「強力なパワーが欲しい方」に特におすすめです。
第4章では、安土桃山時代から江戸時代に大きな力を発揮した神々をご紹介します。「あとひと押し」をくれる神様、思いがけない知恵をもたらす神様など、新時代を切り開いた神々ぞろいの第4章は、「新しい流れを呼び込みたい方」に特におすすめです。
明治時代から昭和初期に大きな力を発揮したカリスマな神々ぞろいの第5章は、その道を究める神様など、「魅力を磨きたい方」におすすめの神様をご紹介。現代に大きな力を発揮している龍神さんや犬神さんなど、人間の要望に積極対応する神々ぞろいの第6章は、「大舞台で力を発揮したい方」におすすめの神様をご紹介します。
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