『中谷彰宏の人生道場』テーマ第1弾は、「話し方」です。自分の思ったことをわかりやすく伝えたり、相手を説得したりするためにはコツがあります。多数の講演をこなしてきた中谷彰宏が、自身の経験を活かし、「話し方」の極意を公開します。
一番聞いてくれている人に、向かって話す。
あるセミナーで受講者全員の自己紹介を聞いて、お互いに3位までの順位をつけることにしました。1位は5点、2位は3点、3位は1点です。
私が自己紹介をするなら、まず5点取ろうと考えます。1人に1位に入れてもらえばいいのです。
話し始めた時に、自分の投げた球をキャッチしてくれた人が1人いたと感じたら、その人に向かって話します。1人がキャッチすると、不思議なことにほかにもキャッチする人が出てきます。
たいていの人があせるのは、「今自分が一生懸命話している時に、あの人、うつむいて話を聞いていない」「あの人は別のことをやっている」と、聞いていない人を見るからです。
たとえば、25人を相手に話すなら、その中の聞いている1人を中心に話します。そうすると、落ちついてきます。
あせって、聞いていない人になんとか聞かせようとすると、せっかく聞いている人への集中力まで落ちてきます。