武田薬品工業から米ファンドへの売却が完了し、今春誕生した「アリナミン製薬(旧武田コンシューマーヘルスケア)」。同社新製品第1号は看板のアリナミンブランドだったが、競合や業界関係者は拍子抜けした。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
元エーザイ副社長が率いる
船出の新製品に業界も注目
武田薬品工業の大衆薬子会社だった武田コンシューマーヘルスケアは今春、米投資ファンドのブラックストーンへの売却が完了した。売却額は約2400億円。ブラックストーンはこの会社の企業価値を高め、「5~10年後の株式上場を目指す」と昨年表明した。
武田コンシューマーヘルスケアは社名をアリナミン製薬に、社長を本多英司・元エーザイ副社長にして一新。新会社になって第1号の新製品を9月24日に発表した。
威信をかけた新製品第1号はアリナミン製薬の社名にもなっている看板ブランド、長年タケダの顔となってきた「アリナミン」製品だ。
タケダの資本を離れて経営陣を刷新させたアリナミン製薬ゆえに、「タケダが長年こだわった『あの成分』を外したブランド展開をしてくるのではないか」と一部の業界関係者は新製品の内容に注目していた。