テーマ4 EV(電気自動車)

 グリーンエネルギーの中で特に、大きな資金が動くマーケットがEV(電気自動車)です。バイデン氏は大統領令で、電気自動車の促進で100万人の雇用を創出し、充電ステーションを全米に50万ヵ所設置するとしています。

 日本では、菅首相が国内販売車の電動化について「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明しました。

 中国では、2020年11月2日、2025年の国内の新車販売台数に占める「新エネルギー車」の比率を20%前後に高める目標を正式に打ち出し、英国では、ガソリン車とディーゼル車の新規販売を禁止する時期を2030年としています。

 自動車業界では、2020年6月に電気自動車大手のテスラがトヨタの時価総額を上回ったことで衝撃が走りました。さらに、米国のアップルや中国のバイドゥ(百度)、ソニーなどのハイテク企業がEV市場に参入すると伝えられ、百花繚乱の戦国時代の様相を呈しています。

テーマ5 キャッシュレス、遠隔医療

 安全に品物やサービスを提供するコンタクトレス(非接触)・エコノミーが加速しています。自宅にいながら、会議に出席し、インターネット経由で買い物をして、デリバリーサービスで食事を頼む。オンライン会議、在宅ワーク、EC(電子商取引)、キャッシュレス決済、全て、非接触で行いながらも生活ができることが証明されました。

 これによって、もともと見据えていた将来が思ったよりも早く近づきました。キャッシュレス決済はこの先も需要拡大が見込める分野であり、その中でも決済代行ビジネスに注目が集まっています。

 遠隔診療もコンタクトレス・エコノミーには大きなインパクトです。医療分野は規制が厳しく、年配の方にはオンラインを使った遠隔医療の浸透はまだまだ難しい側面もあります。

 しかし、コロナ以前から、地方における医師不足等が指摘されている状況を踏まえて、地域医療を充実させるためにも、遠隔医療の必要性は日本社会の課題であり、息の長いテーマです。