世界的な半導体不足により、自動車メーカーは今年、全体で数百万台規模の減産を余儀なくされ、巨額の売り損じを招いた。だが、ここにきて来年も今年並みの厳しい状況が続きそうな雲行きが広がっている。自動車業界幹部からは、年内には状況が改善に向かうとの楽観的な声が聞かれていた。ところが足元では、半導体不足が短期的な危機から、解消まで数年を要するであろう自動車サプライチェーン(供給網)の構造的な問題に発展するとの見方が浮上している。自動車メーカーにとって新たな頭痛の種となっているのが、半導体の検査や組み立てが行われるアジアでの目詰まりだ。一方で、半導体メーカーは、自動車に広く使われる技術レベルも利益率も低い半導体の生産を段階的に停止する方向に向かっており、将来的に車載用半導体の供給が難しくなるとの懸念が高まっている。
半導体不足は構造問題に、身構える自動車メーカー
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