未曾有の経済危機のなかで、グーグル、IBM、アップル、アマゾンなどの先端的IT企業が、きわめて高い利益を記録している。アメリカ株式市場では、こうした情勢を反映して、ハイテク銘柄が年初来、50%以上も上昇した。

 最近の状況は、つぎのとおりだ。

【グーグル】
・2009年4~6月期の売上高は前年同期比3%増にとどまったが、純利益は同19%増となった。
・7~9月期の売上高は前年同期比7%増となり、純利益は27.1%増となった。
・株価は、10月21日には551ドルであり、今年初めの321ドルに比べて72%も上昇している。

【IBM】
・09年4~6月期の売上高は前年同期比13%の減(為替の影響を除いた場合は7%減)だったが、純利益は同12%の増益だった。
・7~9月期の売上高は前年同期比7%の減(為替の影響を除いた場合は5%減)だったが、純利益は14%増となった。
・株価は、10月21日には121ドルであり、今年初めの86ドルに比べて41%上昇している。

【アップル】
・09年4~6月期には、売上と純利益は前年同期をそれぞれ12%と15%上回った。これは、年末商戦のある10~12月期を除いて、アップル史上最高の決算だった。
・7~9月期には、売上高は98億7000万ドルとなり、前年同期の79億ドルより5%増加した。利益は16億7000万ドルで、前年同期の純利益11億4000万ドルを47%も上回る大幅増益となった。
・株価は、10月21日には205ドルであり、今年初めの91ドルに比べて、実に125%上昇している。

【アマゾン】
・09年4~6月期の売上高は前年同期比14%増、純利益は同10%減となった。
・株価は、10月21日には93ドルであり、今年初めの54ドルに比べて72%上昇している。

 これら先端的IT企業の好業績は、今年になって始まったことではない。金融危機の発生以降、続いてきたことだ。「ITだけが経済危機の影響を受けないはずはないから、いつかは終わる」と言われてきたのだが、結局終わらなかったわけである。