医師らの推定によると、何百万人もの人々が新型コロナウイルス感染の後遺症に苦しんでいる。だが、このところの初期段階の研究で、ワクチン接種が後遺症に効くかもしれないとの手がかりが得られつつある。ワクチンが登場した当初、感染後に何カ月も衰弱性の症状に悩まされていた人々が、ワクチンを接種したら元気になったと医師に話すケースが見られた。こうした反応は科学者たちの注意を引きつけた。現在では、ワクチンを接種することで症状が軽減する人もいることが新たな研究で示唆されている。最近の他の研究では、ワクチン接種によってコロナ感染の後遺症自体を減らせる可能性が示されている。長引く後遺症はコロナ感染症の最も不可解な影響の一つだ。最初の感染後、倦怠(けんたい)感、認知障害、息切れ、心拍の乱れなどの症状が数カ月続く人が10~30%に上るとみられている。医師はそうした症状を完全には解明できておらず、治療の選択肢はほとんどない。