薬剤師、看護師、介護士にアロマ資格が人気

 そもそも私たちアロマセラピストは、アロマセラピーで使う精油のことも、つい「アロマ」と呼んでしまうので、精油と、合成香料を使ったアロマオイル、アロマフレグランスとを消費者に混同させてしまっています。この状況も改善していかなければいけないと感じています。

 最近は日本でも医療を助ける役割の一つとして、精油を用いる病院も出てきました。回復期リハビリや緩和ケア病棟などで、臨床アロマセラピストによってマッサージを提供している病院もあります。

 また、アロマセラピーによって脳への刺激を促すことで、認知症の予防効果を期待する研究も進んでいます。私も大阪府、兵庫県で調剤薬局を展開している「くるみ薬局」で、今年の春から大学病院・敷地内薬局にアロマを導入するお手伝いをしています。店内には薬の処方の目的がなくてもアロマを求めるお客さまが増えているそうです。

 また、私が運営するスクールでも、コロナ禍で時間に余裕ができ、アロマセラピー関連の資格を取ろうとする人が増えています。セルフケアを学ぶことを目的とする人はもちろん、看護学校の生徒や薬剤師、看護師、介護士などの有資格者にも人気があります。

 このように、日本でも香りの力に医療分野からの関心が高まっています。今後はフランスのように、医療現場で精油による処置を行う“メディカルアロマセラピスト”が当たり前に活躍する「アロマ先進国」に日本がなることを、専門家として願わずにはいられません。