同じ種類の食材ばかり食べない

『何もしない習慣』(KADOKAWA)本連載の筆者、笠井奈津子さんの新刊『何もしない習慣』(KADOKAWA)が9月29日に発売されました

 また、主なタンパク質源となるのは、魚・肉・卵・大豆製品などですが、それぞれのカテゴリーの中のいろんな食材から摂ることが理想的です。タンパク質の摂取だけを目的とするならばプロテイン飲料でも良いかもしれませんが、牛肉を食べれば鉄、秋刀魚を食べればDHA、というように、食材であれば他の栄養も同時にとることができます。

 とはいえ、意識しないと「鶏肉ばかりで牛肉はほとんど食べない」「肉ばかりでお魚を食べる機会はあまりない」など偏りが生まれがちでもあります。そうした場合には、「○○のときは○○」と大まかにでも決めてしまうと少し偏りが是正されるかもしれません。たとえば、「朝は時間がないから、納豆や豆腐などの植物性タンパク質にしよう」「昼はしっかり食べたいから、外食のときは肉系にして、夜はお刺身とか煮魚とか魚にしよう」「家だと肉しか食べないから、外食の際は必ず魚系を1品頼むようにしょう」という具合です。ルール化してしまえば、毎回メニュー選びで思い悩むこともありません。

 また、タンパク質を意識する上で気をつけたいのは、その反動で炭水化物を軽視しない、ということです。便秘になったり、疲労感を感じたり、エネルギー不足なように感じたら、炭水化物が不足していないか振り返りましょう。タンパク質が多いお肉や魚などは腸内環境に良いとされる食物繊維をほとんど含みませんし、炭水化物をとらないとエネルギー不足になりやすく、筋肉を分解してエネルギーを生み出すことになります。筋肉が減ると、締まりやハリがなくなるだけではなく、代謝も落ちやすくなるため、結果としてリバウンドしやすい体になります。少量ではありますが、ご飯や小麦製品などの炭水化物にもタンパク質は含まれます。白飯よりも雑穀入りご飯、白いパンよりも全粒粉のパン、朝のシリアルを甘いタイプのものからオートミールに変える、などというようにして、主食からもタンパク質やビタミンミネラルを補いましょう。

参考記事:目指せ、規則正しい食生活!10分で食べられる「最低限ランチ」を考える

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)