【寄稿】国連は台湾にドアを開くべきPhoto:NurPhoto/gettyimages

――筆者のゲーリー・シュミット氏とマイケル・マッツァ氏は、保守系の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」の外交・防衛問題研究シニアフェローとノンレジデントフェロー

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 国際連合(国連)の場で台湾は、最初からのけ者だったわけではない。台北の政府は20年以上にわたって、安全保障理事会を含め、国連の中で中国を代表してきた。それが変わったのは1971年10月25日のことだ。国連総会はその日の投票で、中華人民共和国の代表の受け入れを決めた。中華民国は国連加盟国の地位を失い、それ以来ずっと仲間外れにされている。この日の2758号決議は、北京の中国政府による台湾の国際的立場への攻撃の第一歩となった。

 1970年には、北京の政府を支持する国連内の勢力は、苦しい戦いを強いられていた。そのわずか1年後に、決議が圧倒的多数で可決された。その間に何が変わったのか。1971年7月にリチャード・ニクソン米大統領(当時)は、ヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官(国家安全保障担当)が北京を訪問したこと、大統領自身も1972年5月までに北京を訪問する意向であることを明らかにした。そして自身の北京訪問が「両国の国交正常化を目指すものになる」と語った。