フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はかねて人々が「働き、遊び、交流する」仮想空間を思い描いてきた。同社が将来も繁栄を続けられるよう、向こう数年で巨額の投資を行い、構想を実現したいと考えている。フェイスブックは25日、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)関連の開発を担当する「フェイスブック・リアリティー・ラボ」に投資することで、今年の営業利益がおよそ100億ドル(約1兆1400億円)押し下げられるとの見方を示した。ザッカーバーグ氏は「同事業への投資は向こう数年にわたり毎年さらに膨らむ見通しだ」と述べた。ザッカーバーグ氏は共有の仮想空間に人々が浸り込み、存在することになる「メタバース」を強力に推進しており、実現に並々ならぬ意欲を燃やしている。メタバースは元々「レディ・プレイヤー1」や「スノウ・クラッシュ」といったSF小説に発想のヒントを得ており、ユーザーは自分のアバター(分身)を通じて友人とコンサートに行ったり、店舗で試着したりするといった、現実世界と同じことができるようになるとされる。