備えるべきはテーパリングの先の「利上げタントラム」FRBの利上げ開始時には、長い緩和でバブル化した資産価格などの金融不均衡が調整される可能性が強い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

金融政策正常化の動き広がる
FRB、ECBはテーパリング開始へ

 世界の中央銀行の間では、新型コロナウイルス問題を受けて実施した大幅な金融緩和策を徐々に解消していく動きが広がってきた。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は、11月2~3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で資産買い入れの段階的縮小、いわゆるテーパリングを開始することが予想される。

 すでに10月6日にはニュージーランド準備銀行(中央銀行)が、7年ぶりの利上げ(政策金利引き上げ)を実施し、8月には韓国、9月にはノルウェーの中央銀行もそれぞれ利上げを決めている。

 経済が回復軌道をたどっていることに加えて、物価上昇率が上振れしていることや、住宅価格が高騰していることなどが背景にある。

 こうした動きが先行きの金融市場に与える影響には注意が必要だ。とりわけFRBの利上げ開始時には、長い緩和でバブル化した資産価格などの金融不均衡が調整される可能性が強い。