全世界1000万人が読んだベストセラー『ザ・ゴール』をご存じだろうか? この伝説的ビジネス書は、2021年に日本版刊行から20周年、さらに、著者エリヤフ・ゴールドラット博士10周忌という節目のタイミングを迎えている。
「制約理論(TOC)」や、今日のパーパス経営にも通ずる「企業の最大の目的(ザ・ゴール)」とは、いったい何なのか? Amazon創業者のジェフ・ベゾスも経営陣と読んできた名著『ザ・ゴール』。ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥教授(京都大学iPS研究所所長)やジャパネットたかた創業者の髙田明氏(A and Live代表取締役社長)など、国内トップクラスの知識人・経営者らも絶賛し、座右の書としてきた『ザ・ゴール』だが、「じつはまだ読めていない」というビジネスパーソンも少なくないはずだ。
今回は「ボトルネック」と「非ボトルネック」に迫る。
「ボトルネック」と「非ボトルネック」
今回はどんな仕事にも共通する「ボトルネック」と「非ボトルネック」に迫る。
それぞれをわかりやすく言い換えるのであればボトルネックが「弱み」で非ボトルネックが「強み」だ。多くの企業にとってお客様にアピールしたいのは強みの部分だ。対して弱みとはなるべく向き合わずになんとか済ませたいという会社も少なくないだろう。しかし、会社の生産性を高めるためにはボトルネックが重要になるということを忘れないでほしい。
第5章でも解説をしたが、組織のスピードはボトルネックに合わせることによってはじめて正常な状態になる。エース社員がどんなに早く仕事をしたとしてもチームで働いている以上、ひとり遅れをとる社員がいればチーム全体のスピードがその社員に影響される。非ボトルネックよりもボトルネックの影響力が強いのである。
第6章のポイントはこのボトルネックこそが会社の実力であるというということだ。
前述したとおり、チーム全体の仕事のペースを左右するほどのインパクトがあるのがボトルネックだ。つまりボトルネックは現状の課題そのものであり、改善することができれば生産性もあがるのである。
多くの場面において会社や組織は強みを伸ばすことに集中してしまうが、同じぐらいボトルネックの改善をすることも重要である。あたりまえのことだが、課題の改善と強みを伸ばすことの両方を意識する必要がある。
仕事の生産性が上がらない人はぜひ、自分のボトルネックが何なのか。考えてみてほしい。