中国は経済成長の鈍化にもかかわらず、先月のドル建て国債による40億ドル(約4500億円)調達に続き、ユーロ建て国債の発行を準備している。中国が秋にドル建ておよびユーロ建ての国債を発行するのは3年連続。昨年11月には、欧州の超低金利を背景に、ユーロ建て国債は初のマイナス利回りで発行された。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が閲覧したタームシートによると、中国財政省は引受先金融機関として中国、米国、欧州の12機関を選定した。昨年、中国は5年、10年、15年物のユーロ債を発行し、約47億ドルを調達した。5年債の利回りはマイナス0.152%で、他はプラスの利回りだった。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、中国の制度や政府の政策が、公共部門の債務増大による信用リスクを軽減するとし、発行予定の債券を「A1」に格付けした。ムーディーズは、不動産市場の変動がシステミックな脅威となる可能性は低いが、長期化した場合には地方政府や自治体の収入が減少し、中小銀行に圧力がかかる可能性があると指摘した。