SDGsのゴール別評価では「ゴール11:住み続けられるまちづくりを」は全業種で上位を占めている。1位は積水ハウス(21.5%)、2位が大和ハウス(18.4%)、3位にミサワホーム(18.1%)である。そして、4位から13位まで建設・不動産業界が独占した。

 田中社長は、「住宅設備企業が上位を占めているだけではなく、大林組、大成建設、清水建設のような大手ゼネコンが名を連ねている。住宅設備や不動産、建設などの企業は、街の再開発などにも関わり、ゴール11への期待が高いのはうなずける」と話す。

「ゴール12:作る責任、使う責任」においても、業界別結果では平均6.4%と建設・不動産業が最も高い。8位に積水ハウス(8.8%)、12位に大和ハウス工業(8.2%)、16位に清水建設(8.1%)が入った。

 良質な建築物の構築に伴い、持続可能な都市づくりへ貢献する取り組みが、一般消費者へも届いていると評価できる。

テレビ・新聞・イベントなど
種々の媒体での情報発信が目立つ

 また、建設・不動産はSDGsの情報が最終消費者まで比較的届いている業界でもある(※4)。特に「テレビ番組やニュース」「新聞や雑誌の記事」「イベントや展示会」で最も高い評価を獲得している。

※4 「各社のSDGsに関する情報は主にどこで入手しましたか」の設問に対し、「テレビ番組やニュース」など12の媒体(入手経路)の中から選んでもらった(複数回答可)。本記事の表には記していない。

「テレビ番組やニュース」では、16位の清水ハウス(11.3%)、17位の住友林業(11.2%)、23位の大和ハウス工業(10.9%)が上位にランクインした。いずれも、テレビ番組やニュースなどでSDGsの情報を取り上げられる機会が多い企業ということになる。

 続いて「テレビCM」において、7位に積水ハウス(19.5)、17位にミサワホーム(18.3%)がランクインしている。テレビCMを通じてSDGsに関する取り組みをアピールする企業も増えているようだ。

「イベントや展示会」は、コロナ禍の影響もあり中止や延期を余儀なくされていることが多い。特に建設・不動産業界は、直接目に触れることに対する利点は大きい。今後、イベントや展示会が再開されれば消費者の評価はさらに上がるのではないだろうか。

(フリーライター 西嶋治美)