会計検査院「会計検査院」とはどんな役所か、元担当記者が分かりやすく解説 Photo:PIXTA

会計検査院は2020年度決算検査報告をまとめ、新型コロナウイルス対策を巡る関連事業を含めた計210件、総額2108億7231万円の無駄遣いなどを指摘し、岸田文雄首相に5日、報告書を手交した。検査院と聞けば「無駄遣いをチェックする役所」とイメージされると思うが、検査を受ける側の公務員などは別として、一般の方にはなじみがないのではないだろうか。「会計検査院」とはどんな役所か、元担当記者が分かりやすく解説してみたい。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

コロナ対策の検査で
無駄遣いを一刀両断

 最初に「なぜ事件ジャーナリストが解説するのだ?」と疑問に感じる方がいると思うので、そこからご説明したい。検査院には政治部や経済部が担当するものというイメージを持たれるかもしれないが、実は社会部の持ち場だ。筆者も全国紙社会部記者時代、担当していた時期がある。

 国家予算全体から抽出した検査で無駄遣いを指摘した件数や総額、大まかな内容など丸め込んだ記事は1面だが、個別案件が政治面や経済面ではなく、社会面に掲載されているのはそういう理由だ。なぜ社会部の記者が担当するかについては後述したい。