マイナポイント最大2万円給付、「タダより怖いものはない」とは言えない理由Photo:PIXTA

「マイナポイント給付」政策の正体
もらうべきか、もらわないべきか?

 むかしむかし、ある国の国王が国民全員に銀貨1枚を配ると言いました。何度かお話をしたエピソードなので、ご存じの方も多いかもしれません。

 国民はたいそう喜んでお役所に出かけ、家族全員、銀貨を1枚ずつもらって帰ったそうです。国王もたいそう喜んで「これで戸籍ができた」と言い、翌年から人頭税が始まったそうです。

 マイナンバーカードを警戒する人はだいたいこのような故事をイメージして、「マイナンバーカードなどぜったいに作らない」と言います。そんなことからマイナンバーカードの普及がなかなか進まない。それで与党は10日、マイナンバーカードの保有者に対して最大2万円のポイントを支給する方向で最終調整に入りました。

 具体的には、新たにマイナンバーカードを取得した人には5000円分、マイナンバーカードを健康保険証として使う手続きをしたら7500円分、預貯金口座とひも付けをしたら7500円分のポイントがもらえます。

 この政策の正体はいったい何なのでしょうか? もらったほうがいいのでしょうか? もやもやっとした気持ちの読者も多いと思いますので、今回はそれを解説したいと思います。