かつては日本最大のSNS(ソーシャルネットワークサービス)だったmixiを展開するミクシィに、経営統合説が噂される。相手はソーシャルゲーム「Mobage(モバゲー)」を展開するDeNA。
今年2月にショッピングサイトのmixiモールで提携したのに続いて、11月22日にmixiゲームでの提携を発表した。来春までに、Mobageとmixiのスマートフォン(スマホ)でのゲーム開発基盤を共通化し、Mobageのゲームをmixiに配信することが可能になる。
ミクシィの笠原健治社長は、「mixiのユーザーにとっては、新たなゲームが増え、楽しみが広がる」と、あくまでユーザー目線を強調。「サンシャイン牧場」などのように、マイミク(mixi上の友達)との交流や協力がメインの、これまでのソーシャルゲームも、「一定期間、継続する」と話す。
それでも、ミクシィとDeNAの経営統合の可能性が噂されるのは、ミクシィに収益の柱が見えないためだ。
ミクシィは、月に1度以上ログインするアクティブ会員を1400万人もつが、ピーク時に比べて100万人以上、減少。TwitterやFacebook、LINEの後塵を拝し、SNSによる広告収入がピーク時にくらべて半減している。
この減少を、ゲームの課金収入が補ってきた。2012年に入ってからはゲーム収入が広告収入を抜いた。
だが、笠原社長は「ソーシャルゲームの会社になるつもりはない。ゲームで得た収益は、SNSの機能向上などに投じる」と言う。とはいえ、収益モデルと機能向上の連動については手探りの状態だ。
ゲーム関係者の間では、「今回の提携はDeNA側にメリットが大きい」という見方が強い。提携によって、DeNAは、利益率の高い自社開発のソーシャルゲームの新たな配信先を獲得できるからだ。しかも、mixiは20代、30代の女性ユーザーが多く、DeNAにとっては新たなユーザー獲得につながりやすい。