昔は子どもの「いたずら」として軽く許される風潮のあった「スカートめくり」。しかし時代は変わり、「スカートめくり」の安易な取り上げ方が問題視される事例が続いている。自分の身近では価値観がアップデートされているかどうか。確認が必要だ。(フリーライター 鎌田和歌)
女性発案だった「めくりん」
「スカートめくりがトラウマになった身からすると、めくりんの件は地獄」
「スカートめくりは性加害ですよ」
11月中旬、ツイッター上ではこんな投稿が相次いだ。問題となったのは、クラウドファンディングサイトに掲載されていた「めくりん」という商品。
使わなくなった学生服をバッグやポーチに作り直して再活用する「サステイナブルなおもしろバッグ!」がコンセプトの商品だが、プリーツのあるスカートをめくるとイチゴ柄のパンツが見えるデザインとなっていた。
使用方法の説明では、「話のネタになるおもしろプレゼントにも」として、接客業の女性に男性客がプレゼントをするようなイラストも添えられていた。
クラウドファンディングサイトで販売が始まった11月9日からほどなくしてSNS上で指摘が相次ぎ、11月15日にはサイトが「プロジェクト掲載中止のご案内」を発表。
「生活者の皆様から様々なご意見を頂いたことを真摯に受け止め、プロジェクトの内容が不適切な内容・表現であったことを鑑み、プラットフォームとして本プロジェクトの掲載を中止、ページを非公開とすることを決定いたしました」と書かれている。
この商品の企画・販売を行っていたのは金沢市にある制服リユース店で、「制服が高くて買えない」という声を聞いた女性が立ち上げた企業として、新聞に取り上げられたこともあった。そんな背景もあっただけに、女性経営者が「スカートめくり」をテーマにしたアイテムを「おもしろバッグ」として売り出したことについて失望の声も見られた。