阪神がメジャー帰り選手を補強
ファンからは「効果」に疑問も
今季のストーブリーグの話題を独占しているのは阪神といっていいだろう。どの球団もトレードなどの戦力補強は行っているが、総じて地味。だが、阪神だけは違う。
まず、MLBミネソタ・ツインズを自由契約になった西岡剛内野手を2年4億円プラス出来高で獲得。また、そのすぐ後にはオリックスで活躍した日高剛捕手と2年1億円で契約した。次いで獲得を狙っているのは今季、MLBヤンキースのマイナーリーグチームでプレーしていた福留孝介外野手。横浜DeNAと熾烈な争奪戦を演じているが、3年6億円の好条件を提示した阪神に福留の気持ちは傾いているといわれる。
和田豊監督率いる阪神は今季、5位に終わったが、観客動員数12球団ランクでは優勝した巨人(約290万人)に次いで2位(約273万人)。弱くてもファンが逃げない人気は相変わらずだ。
当然、球団の資金力は潤沢。加えて年俸(推定・以下同)4億円の城島健司捕手が今季限りで引退、同じく4億円の藤川球児投手がメジャー挑戦で抜ける。また、2億2000万円の金本知憲外野手も引退した。合計すると10億円以上の人件費が浮くわけで、それがまるまる補強に使えるのだ。
貪欲に有力選手を獲得しているのも、そんな余裕があるからだろう。だが、その補強にはファンから懐疑的な意見が続出している。福留と日高は現在35歳。今季も目立った活躍はしておらず、年齢的にも上がり目は期待できない。そんな選手に大金を積むより、若手の底上げをした方がいいというわけだ。
西岡の獲得にも手厳しい声は多い。西岡は確かにいい選手だ。千葉ロッテ時代は内野の要ショート・セカンドで活躍。打ってよし、守ってよし、走ってよしと3拍子揃った選手で、キャプテンを務めた2010年には内野手として初めてとなるシーズン200本安打(206本)を達成し日本一に貢献した。タイトルは首位打者と最多安打を1回ずつ、盗塁王を2回獲得している。