「不安あおり型広告」への拒否感

「アンチエイジング」とも関連するが、美容業界では長らく、消費者の不安やコンプレックスをあおる商法が行われてきた。加齢以外にも、「シミ・シワを作らないために」「太らないために」「彼に嫌われないために」「周りから浮かないために」といった打ち出し方は、ほぼ毎日見かけるほど、ありふれている。

 人の心理としても、単純に「これが良い」と紹介されるよりも、「これをしないと〜〜になってしまう」という危機感をあおられたときの方が、行動につながりやすい場合もある。ここに目をつけた広告だ。

 近年になって特に批判を浴びているのが、YouTubeに流れる広告だ。「YouTubeでよく見る体毛や体型(体形)などに関する卑下の広告、やめませんか?」という署名が立ち上がったのは昨年、2020年4月のこと。この署名を始めたのは大学生で、現在までに4万8000人以上が賛同している。

 署名ページのトップには、男性から「すまん。デブは恋愛対象外なんだ」と言われて涙を流す女性のイラスト(実際にYouTubeで流れていた広告画面)が使われている。

 また、やめてほしい広告の例が次のように挙げられている。

<体型がふくよかなことが貶(おとし)められたりそのために浮気したりされたりしている。

体毛や体のそれぞれの特徴がまるでダメなことのように取り上げられて、貶められたり、バカにされているようなもの。または女性男性関係なく勝手に消費されるような描写のもの>