動画が製作された背景も鑑みて感じる歯がゆさ

 筆者も、あまりジロジロ見ているつもりはないが、美しい女性を見かければ見ほれることがある。しかし動画は「ハイ、それは性暴力だからダメー」といきなり突きつけてくるので、「ムッ」と思わなくもない(これは後述するが、「NotAllMen」に関連する感情である)。
 
「こっちは称賛の気持ちで見ているのだからいいじゃん」と言いたいところなのだが、女性からすればその視線が脅威になり得るわけだから、称賛の視線とて性暴力防止の観点からはまったく好ましくない。「DontBeThatGuy」動画は「そもそも、その『○○だからいいじゃん』という考え方が良くないのですよ」と警鐘を鳴らしている。
 
 この論理は、落ち着いて冷静に考えればすぐに思い至れるのだが、動画の突きつけ方が鋭すぎて視聴者男性はちょっとムッとさせられているため、「いったん自分を冷却して、相手の言い分の正当性を認める」という作業が必要になる。

「DontBeThatGuy」動画がゴールとしている思想に到達するために、ちょっと遠回りさせられているのである。それで「もう少しうまいこと作れなかったのか」と歯がゆい気がして、これも「ふーむ…」の感想につながった。
 
 しかし、また同時に悩ましいことがある。