多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作だが、発売前からアマゾンベストセラーランキング第1位(仕事術・整理法:11/13、11/29~)となり、異例の発売前重版が決まった。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

【目からウロコの人間関係術】嫌いなアノ人はあきらめよう!「人間ではない。馬だ」Photo: Adobe Stock
〈結論〉
・嫌いな上司の評価を変えようというのは無理な話
・「課題の分離」ができていない
・「上司の評価」はコントロールできない「他人の課題」
・「仕事の成果」「積極的なコミュニケーション」だけが「自分の課題」
・「自分の課題」を洗い出し、そこだけに注力しよう

マモル:上司とソリがまったく合わないんですよね……。人事評価はいつも低いですし、めんどくさい仕事ばかり押しつけてくる……。どうやったら、あの上司をいい人に変えられますかね!?

サラタメ:マモルさん、非常に申し上げにくいんですが……結論、その上司を変えるのは不可能です!

マモル:えっ、そんな! サラタメさん、たくさん本読んでるんですから、何か裏技的なの知ってたりしないんですか!?

サラタメ:私がダントツでオススメする裏技は、「いっそのことあきらめる」ですね。特に職場のおっさん上司が相手なら、これしかないです(笑)。

マモル:えぇ! あきらめたらダメでしょ!?

サラタメ:しょうがないんです。他人の心をコントロールできる魔法は、この世のどこにもありません。まずは「自分がコントロールできることは何か」を突き止める。そして、その一点に集中するしかないんです。

マモル:コントロールできること……? つまり、どういうことですか?

サラタメ:つまり、マモルさんの場合、営業マンとして売上を上げることだけに集中。他のことは考えてもムダなので、忘れちゃいましょう!ってことです。

「他人の課題」で消耗しない

「嫌いな人のことは、いっそのことあきらめる」

 これはアドラー心理学に関する名著『嫌われる勇気』に出てくる「課題の分離」という考え方をもとにしています。

「課題の分離」を簡単に説明すると、

・「自分の課題」と「他人の課題」を分離しよう
・「自分の課題」とは、自分の力でコントロールできること
・「他人の課題」とは、自分の力でコントロールできないこと
・ちなみに「他人の気持ち」はゴリゴリの「他人の課題」
・「他人の課題」にムダな労力を割かない
・「自分の課題」だけに注力する

サラタメ:つまり、マモルさんのケースでいえば、「上司の評価」が「他人の課題」で、「営業マンとして頑張ること」が「自分の課題」です。

マモル:うーん……、上司の評価って、コントロールできないんですか……? ボクは苦手ですけど、うまくゴキゲンを取れば、コントロールできるような気もしますが……。

サラタメ:それ超いい視点です! 今のマモルさんの話でいえば、上司のゴキゲンを取るために、なごやかに雑談したり、時にお世辞を言ってみたりすること、これはたしかにコントロールできることです。ただですよ、結果として上司が評価を上げてくれるか、これはコントロールできないってことです。

 他人からの評価を改善するために努力することは「自分の課題」。実際、どんな評価になるかは「他人の課題」。これを心理学者のアドラー(1870~1937)は、「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」と表現しています。

 ここでいう「馬」が他人です。馬に水を呑ませようと、力ずくで水辺に連れていくことはできます。ただ、実際ゴクゴクと水を呑んでくれるかは馬次第。私たちにはどうにもコントロールできないことなのです。

【目からウロコの人間関係術】嫌いなアノ人はあきらめよう!「人間ではない。馬だ」

サラタメ:同じ会社の、同じ部署で働いているくらいだから、同じようなことを考えているだろうと思ってしまいがちですが、考えていることは人それぞれまったく違います。もはや動物である「馬」くらいにコントロールできないと思っておいたほうがいいんです