ここ数十年間にヘッジファンドを消滅させ、市場を幅広く暴落させたことで知られる人気の為替トレードが、予想外のドル安で打撃を被っている。市場では、ヘッジファンドなどがここ数カ月にキャリートレードと呼ばれる大型取引を膨らませていたとの指摘がある。キャリートレードとは、特に円や、ユーロなども含む超低金利の通貨を借り、その資金をドルなど金利上昇が予想される通貨に投じる取引手法だ。新型コロナウイルスの新たな変異株を巡る動揺が市場に広がった11月26日、そうした取引の一部が巻き戻された。円は同日、対ドルで2%近く跳ね上がり、2020年3月のコロナパニックの最悪期以降で最大の急騰となった。ユーロと英ポンドもドルに対し大幅に上昇した。これは、市場に売りが広がり、投資家が安全資産としてのドルに避難する際の、通常のトレーディング戦略に逆行する動きだ。
円キャリートレード復活、ドル安で鮮明に
オミクロン株出現で為替急変動、背景にヘッジファンドの円売り越し
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