複合企業(コングロマリット)に対する追悼の言葉が、急速に聞かれるようになってきた。だが実際には、現代のモンスターはかつてないほど巨大で強力になり、恐らく世界をのみ込むほど持続的な存在になっている――しかも、その姿は以前と全く違うものだ。ここ数年、ゼネラル・エレクトリック(GE)や東芝、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JJ)、シーメンス、ダウ・デュポン、ユナイテッド・テクノロジーズなどの肥大化したビジネス帝国の解体が相次いだことは、複合企業の終焉(しゅうえん)の前兆であり、優秀な経営チームは畑違いのビジネスも成功させることができるとする考え方の崩壊を告げるものだ。一方、こうした伝統産業の巨人たちが分割されるのを横目に、巨大ハイテク企業が現代版複合企業として台頭している。一部では「ネオ・コングロマリット」とも呼ばれるこうした企業は、歴史上のどの企業より高い時価総額を誇り、過去の複合企業と同じく、買収や新規参入により事業を多角化している。