欧米の経営者や著名人の中には、中国とビジネスをする際にダブルスタンダードを適用し、自国では非難の対象にする行動も中国政府が取った場合には容認する人があまりにも多い。米プロバスケットボール協会(NBA)のレブロン・ジェームズ選手の香港に関するダブルスタンダードや、ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)のガバナンス(企業統治)基準に関するものがそうだ。だからこそ、女子テニス協会(WTA)が、11月にソーシャルメディアの投稿で共産党高官を性的暴行で告発した中国のスター選手、彭帥さんを守るという信条を貫いたことは、心強く、歓迎すべきことだ。その投稿は現在は削除されている。WTAのスティーブ・サイモン会長兼最高経営責任者(CEO)は1日に新たな声明を発表し、この件について必要なのは「彭帥選手の性的暴行の告発に関して、検閲を行うことなく、全面的な透明性のある調査を行うことだ」と繰り返した。中国のメディアは彭帥さんの動画を公開し、彭帥さんは国際オリンピック委員会(IOC)にビデオ通話で自らの無事を伝えたが、WTAは彭帥さんが自由に発言しているのか確信が持てないと述べている。これは正当な言い分だ。