新型コロナウイルスは、米国内の党派的分断を顕著にしている。民主党寄りの州は、共和党寄りの州よりも、ソーシャルディスタシング(社会的距離の確保)や学校閉鎖、マスク着用義務化、ワクチン接種などの措置を積極的に進めてきた。その結果、民主党寄りの州の方が共和党寄りの州よりも、感染率、死亡率が全般的に低くなっている。これに伴って民主党寄りの州が支払うことになった代償は、雇用の伸びが共和党寄りの州よりもずっと低いことだ。新たな変異株「オミクロン」がパンデミック(世界的大流行)の新たな波を引き起こせば、この党派色による格差は永続的になるかもしれない。パンデミック当初の一般認識は、暮らしと命のどちらを優先するかという選択はあり得ないというものだった。感染抑制のための防御措置は、経済的打撃を最低限に抑える効果も持つと考えられていた。韓国や中国など一部の国では、こうした考え方は正しかったかもしれない。しかし、米国の状況は異なる。米国では、感染状況と経済活動は逆相関の関係にあるように見える。
米国の党派的な経済格差、オミクロン株で拡大も
民主党寄りの州は最悪なコロナ感染を回避する一方、経済で遅れを取っている
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