現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

死ぬまで健康な脳を維持する口内環境の整え方ベスト5Photo: Adobe Stock

「口内」環境をよくする

脳内環境と同じく、口内環境が劣悪な状態を放っておくと、脳も体も毒まみれになってしまいます。ここでは、口内環境をよくする方法をご紹介します。

【①歯と歯ぐきの境目をブラッシングする】
ていねいにブラッシングするというのは、歯と歯ぐきの境目を歯ブラシで磨くことです。「歯磨き」とすると、歯だけに意識が向いてしまうので、あえてブラッシングとしました。歯と歯ぐきの境目には空気中では生きられない悪玉菌が潜んでいます。1日に一度は15分くらいかけてブラッシングしたいものです。状態によってはデンタルフロスや歯間ブラシを使うのもいいでしょう。歯科でブラッシング指導を受けるのもよいと思います。歯磨き剤は使わなくてもよいと私は思っています。もし使うのであれば、自然素材で作られたものを選んでください。

【②歯科で治療済みの金属部分について相談する】
治療済みの金属の詰め物やかぶせものについては歯科医に相談してください。アマルガムは除去する際も取り扱いに注意が必要です。有害金属について詳しい歯科医の診察を受けて、現状はどうか、どんな改善方法があるのかを相談するのがベターです。

【③歯周病かな? と思ったらすぐに治療をスタート】
歯周病はごく軽度のものから歯が抜けるほど重度のものまで段階があります。進行する前に気づいて治療を始めることが肝心です。歯周病菌が口の中にいると、毛細血管から体内に入り込み、脳に侵入する危険もあります。また、歯を失うと脳のジョギングである咀嚼が満足にできなくなり、認知機能が低下することにつながります。歯の定期検診は面倒でも受けるべきです。初期の虫歯や、歯周ポケットが見つかるかもしれませんし、自分では除去できない歯石を専用の器具で除去してくれます。

【④唾液を出して口を潤す】
口内環境を整えるためには唾液をしっかり出すことも大切です。唾液は消化を助けるだけでなく、食べたものの味を感じたり、細菌の増殖を抑えたり、食べものに含まれる発がん性物質が作り出す活性酸素を分解する働きもします。加齢や薬の副作用などで口が乾くと感じたり、家族から口臭を指摘されたなら唾液が十分に分泌されていないと考えられます。唾液を手っ取り早く出すには、よく噛むことがいちばん。噛むことで脳に刺激が伝わり、唾液が十分に分泌されるようになります。食事時間以外に口の乾きを感じたらガムやスルメなどを噛むといいですよ。

【⑤ロイテリ菌をとる】
ロイテリ菌というのは人の母乳由来の乳酸菌で、スウェーデンのカロリンスカ研究所で1990年代から研究が続けられている菌です。1万7000人以上の被験者による研究とその実績によって、現在では100カ国以上で活用されています。ロイテリ菌が優れているのは、ロイテリンという抗菌物質を作り出して口内の悪玉菌の発育を抑えること。この働きによって歯ぐきの炎症や虫歯菌の増殖を抑えます。また、ビフィズス菌などの善玉菌と共存して、口の中だけでなく腸までつながる消化管の細菌フローラを理想的な環境に整えます。日本でもロイテリ菌を含むヨーグルトやサプリメントが市販されていますから、ぜひ取り入れてください。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった“毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
死ぬまで健康な脳を維持する口内環境の整え方ベスト5

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。