新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」が、経済成長やインフレ、金利にどのような影響を及ぼすかについて、確かなことは何もない。確かなのは、おそらくドルの価値だけだ。米当局は2日、外国人旅行者に対する検査強化を発表した。その前日には、経済協力開発機構(OECD)が、オミクロン株によってインフレが長期化し、来年の世界経済成長率を4.5%とする見通しに深刻なリスクがもたらされる可能性があるとの懸念を示した。その一方で、オミクロン株は心配されているほど致命的なものではなく、ワクチンへの耐性も強くないのではないかとの見方もある。投資家が、リスク資産へのエクスポージャーを全般的に減らすこと以外に何をすべきかを知るのは難しい。株式市場が乱高下する中、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数はこの1週間で、幅広い銘柄で構成されるS&P500種指数と同程度下落し、無差別に売りが出ていることがうかがえる。旅行業界への悪影響は明らかだが、他のセクターについてはこれまでにコロナへの対応を学んでいることから、影響ははるかに明確ではない。
ドルは「買い」 オミクロン株の影響関係なく
新たな変異株が景気回復の妨げになれば、ドルは再び避難先としての役割を果たす
有料会員限定
あなたにおすすめ