米労働省が3日発表した11月の雇用統計によると、非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比21万人増加した。これは昨年12月以降で最少の伸びで、市場予想を大きく下回った。新型コロナウイルス流行を巡り新たな懸念が高まる中、雇用の伸び悩みは景気回復に影を落としている。失業率は前月の4.6%から4.2%に低下した。市場予想は就業者数が57万3000人増、失業率は4.5%だった。一方、10月の就業者数は54万6000人増に上方修正された。景気はここ数カ月、コロナ変異株の「デルタ株」やサプライチェーン(供給網)の混乱を背景とした夏場の足踏みから持ち直す兆しを見せていた。ところが足元ではコロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が確認され、感染力の強さやワクチンの効果に与える影響などによっては、回復に水を差す恐れも出てきた。感染が急拡大すれば、人々は仕事や買い物や外出に不安を覚え、経済成長の鈍化につながる可能性がある。