この連載では、『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
年長~低学年の子どもが読めるような、中学生以上の漢字も掲載されている漢字辞典をご存じでしょうか?
お世話になります。『アイデア大全』以前からブログの読者をしております。
質問ですが、年長~低学年の子どもが読めるような、中学生以上の漢字も掲載されている漢字辞典をご存じでしょうか?
私の子どもは本が好きで、年齢以上に多くの漢字を読むことができます。でも書くのはまだ十分ではないので、いつも漢字辞典を片手に文章を書いています。
ところが我が家にある小学生向けの漢字辞典には、小学生で習う漢字しか載っておりません。先日は子どもが「鬼」という漢字を書こうとして見つけられずに困っていました。「鬼」は中学生の漢字なのですね。
本屋さんで一般的な漢字辞典を見てみても、とても5歳児が興味を持って読めそうな体裁をしておりません。モノクロで、絵がなく、文字が小さすぎています…。
もし我が家の需要に合うような漢字辞典をご存じでしたら、教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
絶版で申し訳ないのですが、ベスト漢和辞典があります
[読書猿の回答]
私が、常用漢字の範囲なら、教育的な面も含めてベストの漢和辞典だと思っている『常用漢字ミラクルマスター辞典』をご紹介しましょう。
表紙がドラえもんであるように、小学生から使える辞典ですが、小・中9年間の教科書にも対応した1945字をあらゆる角度から調べられるようにできています。
複数の熟語(括弧書きで意味も記載)について、短い用例文を示して、理解と記憶にも効果的です。さらにその用例を盛り込んだ、藤子プロによるドラえもん4コマ漫画までつけてあり、紙面が文字ばかりになることを防いであります。
さらに最も素晴らしいのが、漢和辞典でスタンダードな部首順などではなく、音符・字源が共通する漢字が隣接する絶妙な配列を採用しているところです。つまり似た読み方であり同じ語源である漢字が自然にまとまるように配列されてあり、漢字同士のネットワークがイモヅル式に学べるようになっています。
私はこの方式で、さらにJIS1,2水準ぐらいの漢字を扱った辞典をつくるべきだとすら思っています。常用漢字の範囲に限っているせいで、もっと伸びているはずの漢字間ネットワークが分断されているのが玉に傷だと、思うからです。
例によって、現在品切れですが、これも復刊と、拡大版の実現を強く求めたいと思います。
もしも、この辞典でも足りないと感じる場合は、小学生向けと一般向けの間に位置する、例えば『例解学習漢字辞典』などをおすすめします。扱う漢字は3000字に増えますが、総ルビつきでフルカラー、イラストもいくつか入ってます。アマゾンなどで紙面を見ることができるので、ご参考まで。