12月6日に行われた臨時国会で所信表明演説を行う岸田首相 Photo:AFP=JIJI
安倍政権の政策を踏襲する
賃上げ期待や賃上げ減税
「成長と分配の好循環」を掲げる岸田文雄政権は、分配政策の柱として「賃金引き上げ」で家計所得を増やすことを最重視している。
国内人口の減少が今後、ますます進み、当面はインバウンドなどの外需に多くを頼れないなど、従来以上に内需主導の成長が要請される状況では賃金の引き上げを重視するのは正鵠（せいこく）を射ている。
だが、問題はそれをどう実現するかだ。
岸田首相が掲げるいくつかの個別政策のほとんどは、安倍政権時代に取り組まれたものだ。
成果を上げるには、まずはなぜ、アベノミクスが道半ばで終わったのかを改めて検証する必要がある。
安倍政権で賃上げに取り組んだ政労使会議に関わった筆者からも見える「教訓」は、いくつかある。
