「自己肯定感は高めるほうがよい」の勘違い、自己満足と混同していないか自己肯定感と自己満足を混同していないか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

昨今、書籍やメディアでよく取り上げられるようになった「自己肯定感」。その多くが、自己肯定感が低いといかに生きづらいかを説き、なんとかして自己肯定感を高めるためのノウハウを伝授するといった内容です。しかし、自己肯定感は本当に高めなければいけないのでしょうか。自己肯定感が低いといい人生を送ることができないのでしょうか。そこで今回は、心理学博士・榎本博明さんの新刊『自己肯定感という呪縛』(青春出版社)から、自己肯定感にまつわる落とし穴について抜粋紹介します。

自己肯定感は高めないといけないものなのか

 自己肯定感は高めるべきである。なんとしても自己肯定感を高めないといけない。そうした幻想が世の中に広まってきたせいで、自己肯定感を高めなければといったプレッシャーを感じながらも、自分は自己肯定感が低いと悩み苦しむ人が増えている。最近の日本では、どうもそのような構図がみられるように思います。

 実際のところ、日本人であからさまに自己肯定感が高いと胸を張れる人が、いったいどれだけいるでしょうか。一部の勘違い人間を別にすると、ほとんどいないのではないでしょうか。

 じつは、強烈に自己主張し、自分を押し出していかないと生き抜いていけないアメリカ社会でも、1970年代以降、自尊感情(自己肯定感)を高めようという運動がさかんになってから、抑うつ、ナルシシズム、不安といった問題兆候がよりいっそう目立つようになってきたとの調査結果があります。